GW最終日に頭の体操がてらブログでも書こうと思った現役WebエンジニアのYUUKIです。
昨年12月から毎月一冊読書する習慣を設けていまして、その一環として4月は「さわって学ぶLinux入門テキスト」を読みました。この本を買ったきっかけは、近々受験する「Linux Essentials」の対策に最適な本を探していたときに、知り合いからオススメされたからです。
さわって学ぶLinux入門テキストはLinux系の試験「LPIC」「Linux Essentials」「LinuC」に対応した本として売りに出されていますが、最近出版された本なのでレビューが全くありませんでした。という訳で、この本を読んだ感想をまとめていきます。
感動するレベルでわかりやすい
これまで何十冊も技術書を読み込んできたYUUKIですが、ここまで分かりやすい本は初めて見ました。
キタミ式 基本情報技術者を上回るわかりやすさです。
この本では、Linuxで扱うコマンドを基礎的なものから順に説明しているので、そのコマンドが「何故必要なのか」「何故このような仕組みになっているか」が全くの初心者でも理解できるようになっています。
なので、今までおまじないのように打っていたコマンドを、成り立ちから知ることができるので、納得がいく形で読み進めることができます。さらに、初心者が一から学んでもわかるように、Linuxの中で使われる専門用語を詳しく説明してくれています。
この2つの点から、Linuxの基礎を挫折することなく学ぶことができる本だというのがわかりますね。
断片的にしか学んでこなかった人は読むのをオススメする
僕は試験対策用にこの本を買いましたが、今までLinuxの知識を断片的にしか学んでこなかった人は、ぜひとも一読することをオススメします。というのも、僕も今までLinuxで分からない点があれば都度ググって解決するという手法を取っていました。しかし、それでは単なるその場しのぎの解決となり、原因を根本から理解できていないので複雑なエラーが起きた時に対処できません。
例えば、あるパッケージをインストールする際、インストール後に解凍し中にあるファイルをコンパイルしなければ使えない場合、「tar」コマンドの意味やディレクトリ構造をある程度わかっていないと、解凍時やコンパイル時にエラーが発生した際に対処が難しくなります。
もし、Linuxを基礎から学んでいれば、tarコマンドには幾つかのオプションがあってそのオプションを加えることでエラーが解決できるかもしれないとか、コンパイルするディレクトリの位置が適切かどうか、といったように、原因をすぐに突き止めることができます。
しかし、付け焼き刃の知識ではエラー文を見て解決するしかありません。
そうなると、エラーの原因を探るのに時間がかかってしまいます。
つまり、何故そのエラーが起きたのか、この仕組みは何故あるのか、といった根本から理解できていれば、エラー解決も容易い、ということなのです。
もし自分のLinuxの知識に自信がない方は、ぜひこの本の一読をオススメします。
浅い説明で終わっており、物足りない
先程この本は感動するレベルでわかりやすい、と書きましたが、逆に物足りない点もあります。
例えば、後半に出てくるハードディスクのパーティション分割については、再現する方法までは載せていません。パーティションに関しては実際にやってみないとイメージしにくい部分も多いため、物足りないでしょう。
他に、全体を通して浅い説明で終わっていると感じました。
初心者向けなので仕方のないことではありますが、この本を読んだからといって、「Linux中級者」にはなれないでしょう。あくまで、Linuxの世界に片足突っ込んだ、というレベルですね。
この本一冊では試験対策にはならない
注意点として、LPICやLinux Essentials受験にはこの本一冊では不十分です。
僕は今Ping-tというサイトで模擬試験を受けていますが、出題される問題の多くはこの本には載ってない内容です。
つまり、試験対策本としては十分ではありません。
例えば、模擬試験ではLinuxで扱われるソフトウェアの意味を問う問題が出題されますが、この本にはgimpやinkscapeといった問題内の選択肢に挙げられる有名ソフトの説明は全く載っていませんでした。
ですので、もし実際に試験を受ける場合は、この本以外にもPing-tや黒本等で対策する必要があります。
さわって学ぶLinux入門テキストまとめ
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